直感の正しさ

クリエイティブにおいて、「新鮮」な視点というのは何よりも大切です。そのクリエイティブに「馴れる」ということで、だんだんその事象を客観視出来なくなるのです。「ファーストインプレッション」ともいいます。要するに「第一印象」です。どのような商品のどのようなデザインであれ、購買を左右するのはそのファーストインプレッションです。見た瞬間に「良いな」と思えば、ずっと「良い」と思い続けるのです。逆に、見た瞬間に「ダサい」と感じてしまえば、そのイメージが覆ることはありません。なぜなら、「ダサい」と感じたら欲しくないわけですから、それ以上そのアイテムのことを考えることはないからです。時間をかけて作った商品、作ったデザインも、ユーザーの目に触れる最初の一瞬で判断されてしまうのです。そして、第一印象で気に成る存在となれた商品は、そのあと深く見られることになります。どのような商品なのか、細部に至るまで細かく見られることになるのです。ですから、第一印象と細部の丁寧さは両立させなければいけません。
そのデザインの第一印象は、デザイナーの「直感」に左右されるものです。まだ出来上がっていないデザインの全体像をイメージできるのはデザインしている本人のみになります。その際、頭の中に浮かぶ最初のフォルム。それがユーザーのファーストインプレッションと重なるものなのです。それを具現化していくのが「デザイン」というクリエイティブです。その最初の「イメージ」がないままデザインを始めてしまうと、結果も曖昧なものになるのです。曖昧なデザインはユーザーのファーストインプレッションにおいても曖昧な印象をもたれるものです。そのアイテムのユーザーを結びつける第一印象、それはデザインの初期段階に出来上がっているといっても過言ではありません。そして、その瞬間が購買を左右するとなれば、その商品が売れるかどうかはデザイナーの「イメージ」にかかっているのです。
ただの「作業」としてデザインを行っているデザイナーの商品は間違いなく売れることはありません。デザインを始める際に頭の中に鮮烈に浮かぶイメージ、それこそがそのアイテムの全てを左右するといってもいいでしょう。デザイナーはその案件の概要から、そのアイテムに何が必要か、どんなイメージを持たれることが最善かを考える必要があります。ですが、「印象」というものは一瞬で決まります。考え続けて悩むようなものではないのです。すぐに答えが出せる感覚。それがイメージ力ですし、デザインスキルの核となるものです。そのチカラが不足しているデザイナーは案外多いもので、何度もやり直すうちに芯の無いボンヤリとしたデザインになってしまうことが多々あるのです。そのようなアイテムはユーザーの目にもとまりません。つまり、売れません。
案件の概要にそって頭のなかに浮かぶそのアイテムの全体像。その直感こそがなによりも重要なデザインですし、その直感を他の人にもわかるように具現化する仕事、それがデザインです。イメージするチカラはデッサン力とは別ですが、このチカラこそが最終的な売り上げを左右するものです。ファーストインプレッションから利用イメージまでもわいてくるようなデザイン。そのようなデザインが今求められています。

 
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